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は や と の 風 と 駅 の は な し ■

嘉
例 川 駅
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■はやとの風と嘉例川駅
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もはや説明する必要もないほど有名になった嘉例川駅。今年で築106年になる駅の佇まいは、まさに「はやとの風」とベストマッチです。
九州新幹線開業を翌年に控えた2003年1月、この駅は開業100年を迎え、それを祝う記念行事が開催されました。最初は「ささやかな祝賀会を・・・」という話から始まったそうですが、何と当日には1300人が、この小さな駅と駅前広場に溢れ返ったんだとか。
その時、JR九州の代表として行事に参加していた常務取締役の方が、この駅の素晴らしさに感銘を受けて、「嘉例川駅を活かさなければ!」という指示を出したそうです。折しも、新幹線から霧島・吉松方面へ観光列車の運行が決まって、具体的なプランが協議されていた頃でもあり、古い路線の歴史を再発見する旅のアイテムとして、当初予定になかった嘉例川・大隅横川の両駅が停車駅に加えられたという事です。
かくして、肥薩線隼人−吉松間は開業後101年目にして初の特急列車運行、そして山間の無人駅嘉例川は一躍「特急停車駅」に昇格!・・・人間も駅も長生きしてれば、いい事あるってか。
特急「はやとの風」は近郊型の車両を改造してデビューしたために、随分と非難も受けましたが、内装をあれほど大胆にリニューアルしながら、外側(特に正面)を塗り替えただけ程度にしか手を加えなかった事に、私はとても意図的なモノを感じました。「敢えて顔はいじらなかった」と。
それは駅+列車の写真を見るとお判り頂けるかと思いますが、たとえ特急型185DCや新形式の200DCを真っ黒にしても、これだけの「いい味」は絶対に出せないだろうと思うんです。
まさに、この駅に合わせてデザインされた列車、という感じです。
さて、この嘉例川駅、保存のために駅舎本屋を旧隼人町が買い取っています。その金額は、何と¥180,867(!)。百年経った木造建築の評価額はそんなものなんでしょうが、安すぎです。
もちろん、維持管理には相当の費用が掛かると思いますが、この駅がもたらしている経済効果を考えると、いい買い物でしたね。そして駅舎は2006年3月に国の登録文化財となり、ホームにその記念碑が設置されています。霧島の百年杉を使って駅の雰囲気を壊さないようなデザインになっていますが、すっかり溶け込んでいるので気付かないかも知れません。いい事なのか・・?
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■名誉駅長
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「はやとの風」2号に乗れば、平日でも名誉駅長の福本さんに会える確率が高いです。
地元出身の元国鉄マンで、嘉例川駅にも10年ほど勤務されていたとの事。国鉄の末期に駅が無人化されてからは、ボランティアで清掃や管理を続けてこられました。先の100周年記念行事開催に尽力され、この駅に特急が停まるきっかけを作った立役者でもあります。とても気さくでサービス精神旺盛、そしてお元気。背筋がピンと伸びておられるので、門司港駅からプレゼントされたというレトロな細身の黒い制服がとても似合っています。
駅同様に福本さんの知名度もすでに全国区で、ひっきりなしにやって来る見学のお客さん達からカメラを向けられっぱなしの人気ぶり。人の動きが落ち着くと、ベンチに座って一休みされますが、足を組んで横向きに座るその姿が、とてもサマになっていて格好いいんです。
私も80歳まで生きられるなら、こんな風に歳をとりたいと思いましたね。
※ちなみに、朝早くにこの駅に行くことがあって、もしタイガースの帽子を被って掃除をしている人がいたら、それは「変身前」の福本名誉駅長ですので、お間違いなく。
駅に置いてある福本さんの手作りガイド「百年の木造舎 嘉例川駅を訪ねて」には・・・
嘉例川駅には気が満ち溢れています
ひたすら長い風雨に耐えて来た頑健さが
皆様を包みお迎えしております
・・・という記述があります。これ、まったくその通りで、私も列車を降りて木製の改札を抜けた時、何だか温かく懐かしい空気に包まれて、気持ちがほどけていくような不思議な感覚でした。
本当にちっちゃな駅なんですが、ここには人を惹きつけてやまない、得体の知れない力があるように感じます。これは、「はやとの風」の5分停車のバタバタ見学では決してわかりません。是非列車を一本やり過ごして、駅での時間を楽しんでみてください。晴れた日はもちろんですが、雨の日も情緒があってなかなか良いですよ。
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■森の弁当やまだ屋さん
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そしてもうひとつ、この駅の名を全国に轟かせたのが、名物駅弁「百年の旅物語 かれい川」の存在でしょう。「はやとの風」車内での販売のほか、土・日曜に限り、嘉例川駅でも購入することができます(時刻表にも記載あり)。このお弁当は、製造過程での添加物は言うまでもなく、既製の食品(カマボコや漬け物等、実は添加物の宝庫だったりする)さえも一切使っていないという、超こだわりの手作り弁当なのです(お弁当の説明は車内販売のページへ)。
「百年の旅物語 かれい川」は、2004年3月13日、九州新幹線開業と特急「はやとの風」新設を記念して当日限定で販売されたのが最初です。ごく少数、それも1日だけの販売だったことから、「幻の駅弁」とまで言われ、弁当の掛け紙がネットオークションで高額で落札されたりするうちに、どんどん知名度が上がっていきました。
そして周囲の復活を望む声に応える形で、5月の連休あたりから駅前の物産館で販売が開始され、6月からは金土日曜限定で特急「はやとの風」の車内でも売られるようになったのです。更に10月からは予約券による販売が始まり、今ではずいぶんと手に入りやすくなったものです。
この駅弁は当初、「嘉例川地区活性化推進委員会」が企画して作ったもので、現在では「森の弁当やまだ屋」さんで作られています。一応会社名がありますが、実は家族経営みたいなもので、最初はお母さん一人で作っていたとか(そのお母さん=山田まゆみさんが代表者)。中身が中身だけに手間も時間もハンパなく掛かるらしく、朝3時(って、朝なの?)から準備しても一日30個作るのが限界で、見かねた娘さんが仕事を休んで手伝っているのだそう。今では70個くらいは作れるようになったと言う事ですが、お父さんまで含めた家族総出でその数なので、苦労のほどが偲ばれます。
体に優しいお弁当を作って、身体を壊さないように気をつけてくださいね。
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■博物館と物産館
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びっくりするほど「何もない」嘉例川の駅前ですが、毎週日曜日にだけ「小さな博物館」と「ふれあい館」がオープンし、ささやかな賑わいを見せています。
まず、駅前広場の左手にある「かれい川小さな博物館」に行ってみましょう。倉庫のような建物を改造して、地元の農家で使われていた農機具などを展示(無料公開)しています。文字通り本当に小さくて、入り口から全部を見渡せるくらいですが、おそらく何十年も納屋の奥で忘れられていたものが、ここに集められて第二の人生を歩んでいます。「機械」ではなく「道具」で農業をしていた時代の貴重な資料の数々、中には牛に曳かせたという大きな荷車もあり、こんなのがまだ民家に残っていたなんて、さすが「日本の原風景」を謳う嘉例川だけのことはありますね。
展示品はすべて寄贈されたもの、そして運営は地域住民の方々のボランティアです。入り口にはメッセージ帳も備え付けてありますので、運良く開館日に訪れた方は書き込みをどうぞ・・・
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博物館から細い道路を隔てた向かい側には「かれい川ふれあい館」があって、毎週日曜日には「ふれあい市」が開かれています。地元のお年寄りの交流の場、といった雰囲気ですが、もちろん観光客も温かく迎えてくれます。
ここには、嘉例川駅の写真が数多く掲示されていて、この駅の昔の様子もよくわかります。無人になる前の駅の写真なんかもあって、私はとても興味深く拝見しましたが、これが日曜しか見られないというのは、何とも残念。
また店内には、ベンチとテーブルを置いたコーナーがあって、購入したものをここで食べることもできます。ふくれ菓子や団子といった素朴な手作りお菓子を買ったら、サービスのお茶をいただきながら、心和むひとときをどうぞ。
名物駅弁「百年の旅物語 かれい川」も、日曜日はこの「ふれあい館」でも販売しています。
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嘉 例 川 駅 の 写 真 ■
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↓緑に埋もれたような嘉例川駅。周囲は鳥の鳴き声の大合唱で、もう別世界です。(08/05/25)
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↓青空に映える駅舎。(09/04/09)
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↓この角度から見る駅舎も、趣があります。(09/04/09)
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↓駅舎の横にはキレイなトイレがあります。木造りで景観にも配慮していますね。(07/12/01)
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↓駅舎は今年で築106年。(09/01/01)
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↓駅開業百周年の記念碑。「はやとの風」は開業101年目の3月にデビュー。(07/12/01)
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↓文化財登録記念碑の銘盤。(2007/12/01)
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↓待合室の様子です。このベンチも年代モノですね~(08/01/26)
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↓待合室の様子その2。時が止まったような感覚になります。(08/01/26)
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↓柱時計は08年の春に寄贈されたものだとか。上写真の時計と比べたら、全然雰囲気が違い↓ますよね。でも昔はもっと大きな柱時計があったんだそうです。(08/05/25)
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↓ナイスミディパスのポスター。この駅で撮影されたものです。(07/12/01)
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↓やわらかな日差しの駅事務室です。ここで色々なイベントも開催されます。(07/12/01)
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↓駅のミニチュア。とても精巧にできていて、屋根は取り外して中を見ることができます。関西在↓住の方からの寄贈だとか。(07/12/01)
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↓タブレットの閉塞機だそうですが、どう使うのか私には理解不能でした。(07/12/01)
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↓駅舎内改札からホームを見ます。昔は向こうの「藪」になっているホームにも上屋があったん↓だそうです。(08/05/25)
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↓「はやとの風」2号が到着しました。6分間の記念撮影タイムです。(08/05/25)
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↓駅の遠景です。右手の茂みの向こうは「嘉例川」が流れています。それにしても、ほんとうに、↓何もない・・・(08/05/25)
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