|
 
|
|
↑吉松駅の午前10時半過ぎ、先程まではひっそりと静まり返っていましたが、ようやくお客さんも
集まり始めました。今日はちょっと肌寒いけれど、いいお天気です。私は列車を出迎えるために、
一足早くホームへ移動します。おぉ!何と「たまり」さんの売店がキレイになっているではありませ
んか。挨拶がてら覗いてみると、今日は団体さんの予約が入っているそうで、たくさんのお弁当が
用意されていました。ご主人は準備に忙しそうでしたが、これだけ売れればハリもあるでしょう。
もちろん私も購入。この時間のお弁当は作りたてなので、ほんのりと温かさが残っています。
|
|
 
|
|
↑11:01、鹿児島中央からの「はやとの風」2号が到着しました。折り返しの1号となるため客室
乗務員さんが指定席から車内整備を始めますが、その間に私は自由席車の座席を回転させて
車内を撮影。いつも指定席にばかり乗っているので、今回は自由席にしてみました。個人的には
指定席車の内装が好きですが、渋い色調のこちらがいいと言う方も少なくありません。細かい所
もしっかり作られていて、荷棚のパイプは竹の模様が入っているという凝りようです。
「いさぶろう」が到着する前なら、余裕で好みの席を選ぶ事ができるので、1番の海側(A席)を確
保しました。ここは窓一枚独占できる見晴らしの良さと足元の広さ、そして作り付けのテーブルも
使える「当たり」席。但し、連結面の直近なので、走行中の激しい揺れには覚悟が必要です。↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑11:16、向かい側の2番線に「いさぶろう」1号が到着しました。「はやとの風」1号の発車まで
2分しかなく、非常に慌ただしい乗り継ぎになります。道中のんびり走る観光列車だけに、却って
この駅での余裕の無さが際立って感じられますが、そんな中でもしっかりと駅弁の立ち売りをして
くれるのは嬉しいですね。乗り継ぎのお客さんが席についてホッとする間もなく、11:18、列車は
もう鹿児島中央に向けて発車していました。
吉松を出ると、ワンマン列車の自動放送に続いて、客室乗務員さんによる挨拶と、「はやとの風」
の名前の由来についての説明があります。霧島の山を望む広々とした景色の中を快走する車窓
から、刈り入れの終わった田んぼを眺めていると、南九州にも確実に冬が近づいているんだと感
じましたね。
|
|
 
|
|
↑お昼にはまだ早いのですが、後の都合もあるので、さっそく吉松の駅弁を開きます。底に木を
使った容器に入っているので、なんとも懐かしい香り。「昔ながら」のお弁当です。
11:25、最初の停車駅、栗野に到着。上りの吉松行き普通列車と交換しますが、停車時間は1
分しかありません。ここで自由席に数名の乗車があり、8番Aを除くすべての窓側席と車両中央
の展望席が埋まりました。通路側の席も2割方埋まっていて、平日ながらなかなかの好調ぶりで
す。栗野発車後に左手に見える丸池湧水は、何故だか水の涸れた状態になっていました。
|
|
 
|
|
↑大隅横川は11:34着、霧島温泉には11:41に到着します。他の「はやとの風」ではそれぞれ
5分程度の停車時間が設けられていますが、この1号はすぐの発車となるので注意が必要です。
どちらの駅でも少数ながら降りるお客さん、乗ってくるお客さんがいて、観光目的だけでなく、「ち
ょっとお出掛け」と言う感じの気軽な利用が定着しているようです。尤も、この前後の普通列車は
2時間近く空きがあり、仕方なしに特急を使っているのかも知れませんが・・・ちなみに肥薩線内
では特定特急料金が設定されていて、自由席の料金は300円となっています。
|
|
 
|
|
↑嘉例川着は11:43。「はやとの風」1号の行程で列車から降りて一息つけるのは、5分停車の
この駅だけです。穏やかに晴れた秋空の下で、築105年の駅舎も映えますね。
平日は1人乗務なので負担の多い客室乗務員さんですが、さっそく始まった記念撮影に、カメラ
マンとして、またモデルとしても大活躍です。嘉例川の駅舎はほぼ真南を向いて建っているので、
いつでも順光で撮影が可能。きっと皆さんのカメラに写った写真もキレイで印象的な出来になって
いるでしょう。
|
|
 
|
|
↑11:59、表木山で上りの吉松行き普通列車と行き違いの停車です。と言っても完全に停まっ
たかどうかもわからないうちに、すぐ発車。列車はここから一気に山をくだり始めます。
日当山を過ぎると、のどかな田園風景となり、それが次第に街へと変わって隼人に近づくと、日
豊本線が急カーブで寄り添ってきます。上右の写真は後部運転席の窓から撮ったものですが、
どう見ても今走っている肥薩線のほうが一直線でメインな感じ。さすが、「もと鹿児島本線」です。
|
|
 
|
|
↑近くにある鹿児島神宮をイメージしたという、朱塗りの柱が印象的な隼人には12:07の到着。
自由席から多くの乗客が降り、同じくらいの人数が乗ってきました。ここでは霧島神宮行特急「き
りしま」86号と行き違いのため2分停まります。ぼんやり発車を待っていると、大きな緑色の塊が
いきなり視界に飛び込んで来たので、ちょっとビックリ。新幹線開業で設定された鹿児島県内の
みを走る「きりしま」ですが、日中の利用状況は・・・怪しい感じですねぇ。
|
|
 
|
|
↑日豊線内では重富と竜ヶ水で2駅連続の行き違い停車があります。重富では宮崎行特急「きり
しま」8号の通過待ちで4分停まります。鹿児島を前に足踏み状態ですが、素晴らしい景色を眺
めながら、とっておきのコーヒータイムを楽しみましょう。人気商品「いもあんぱん」はすでに売り
切れ(!)だったので、今回は「プチふくれセット(飲み物つきで400円)」をチョイス。バニラが香
るふんわりと軽い食感で、コーヒーとの相性もバッチリです。やがて車窓には、遮る物のない桜島
の美しい姿が・・・思えば8月も9月も10月の前半も、乗るたびにヒドイ天気で、こうして車内から
青空の写真が撮れるのは本当に久しぶり。元来私は旅に出て天候に恵まれる事の少ない質の
ようなので、今日のこの晴天に感謝しなければいけませんね。↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑美しい海岸沿いの景色の余韻を断ち切るかのようにトンネルがあり、それを出ると程なく鹿児
島に到着します。時刻は12:44で、多くの乗客がこの駅で下車。市の行政機関や中心市街地天
文館に近く、市電の始発駅でもある言わば鹿児島のもう1つのターミナルですが、周囲には緑も
多く残り、のんびりとした雰囲気です。
ここからは複線の鹿児島本線となり、複雑な地形が市街地に迫る城山をトンネルで抜け、ビルの
林立する狭い景色の中を走る頃、客室乗務員さんによる挨拶と、到着・乗り換えの案内放送が
流れました。そして12:49定刻通り、「はやとの風」1号は巨大観覧車「アミュラン」を見上げる鹿
児島中央駅3番線に到着。ホームには次の4号の客室乗務員さんや清掃業者の方達が待機し
ていて、降車が済むとドアを閉め、早速折り返しの準備が始まりました。
私もその4号に乗って、吉松へ戻ります。続きは↓↓↓をご覧下さい。
|
▼ここからは、「はやとの風」4号の旅です。 ページの最上段へ
|
|
▼画像をクリックすると別画面で拡大表示します▼
|
|
 
|
|
↑お昼過ぎののんびりとした雰囲気が漂う鹿児島中央駅3番ホームでは、吉松行「はやとの風」
4号の発車準備の真っ最中。車内販売品の補充分を積み込み、2名の係員の方が車内の整備
をしています。さすがプロ!と思わせる手際の良さで、肘掛け内蔵のテーブルを掃除するときの
妙技に、私の目は釘付けになってしまいました。
それにしても、到着から折り返しの発車まで、ホームに25分も列車を停めたままにできるのは、
この時間帯だからこそ、ですね。そしてメニュー表の補充や調度品のチェックは客室乗務員さん
の担当。さあ、そろそろ準備も整ったようで・・・↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑ドアが開いて、乗車できるのは13時頃です。指定席車では客室乗務員さんの笑顔のお出迎え
もちゃんとありますが、ホームで待っていた乗客は数人で、拍子抜けするほどの少なさ。今朝出
かける前にチェックした空席情報では、指定席△(残席僅少)になっていたんですけどね。
発車まで余裕があるので先頭車の写真を撮ろうとしたら、向こうに黄色い列車がやってきました。
新旧DCの顔合わせ。それにしても、真っ黒との色の対比は目に痛いほどです。
|
|
 
|
|
↑往きは自由席だったので、帰りは指定席にしました。白木の明るいインテリアは、気持ちを高
揚させる効果があるのか、乗るたびにワクワクしてしまいます。今日の席は「はやとの風」全座席
のうち、最高のハズレ席である4番のD。ここに座って何を見ろと言うのか・・・壁?照明?でもま
あ、自由席で車窓は堪能したし、フリーの展望席もあるからと気楽に考えていましたが、気づいて
みると、車端のBOX席と10番の車いす対応席を除く全部の席が埋まっていました。
新幹線「つばめ」41号が13:04に到着するので、乗り継ぎのお客さんが多かったんですね。こ
の列車なら博多から10:31発の「リレーつばめ」に乗ればいいので、霧島方面への気軽な1泊
旅行等では無理のない行程が組めます。
鹿児島中央発車は13:14。フリーの展望席もお弁当を広げるグループのお客さんが盛り上がっ
ていたので、私はしばらく自分の席でおとなしくしている事に。
|
|
 
|
|
↑発車前に、予約しておいた嘉例川のお弁当を受け取っていました。自由席もかなりお客さんが
乗っていて、客室乗務員さんが検札を始めると時間が掛かりそうだと予測できたので。1人乗務
は仕事が多すぎて大変です、ホント。
車内ではその客室乗務員さんのアナウンスが、「これより列車は、雄大な桜島を望む美しい海岸
線を駆け抜け、隼人駅からは明治時代にタイムスリップしたような、懐かしい雰囲気の肥薩線を
走行します。はやとの風号でのひとときを、どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ」と、乗客の期待
感を高めてくれます。
お弁当はとりあえず空いていたBOX席に持って行って、写真だけ撮りました。「はやとの風」に嘉
例川のお弁当はやはり欠かせません。食べるのはもう少し後にしますが。
|
|
 
|
|
↑鹿児島には13:19着で、すぐの発車。指定席に乗ってくる人はいなかったので、しばらくの間
BOX席にお邪魔します。鹿児島駅の構内には、使われなくなった電車が留置されています。古
かったけど、3両編成で座席もたくさんあったあの電車、よかったなぁ~と、しみじみ。
いつも海側の景色ばかり紹介しているので、たまには山側も見てみましょう。まずは仙巌園、列
車からはほんの数秒、石垣越しに庭園の様子を見る事ができます。向こう側から、桜島バックの
「はやとの風」なんていい被写体になりそうな気もしますが、作例を見たことがないというのは、難
しいのかも知れませんね。
|
|
 
|
|
↑仙巌園を通り過ぎると、そそり立つ崖が海岸線ギリギリまでせり出す険しい地形を縫うように
列車は走ります。窓から見えるそれは、圧倒的な迫力。しかもこの崖は、「シラス」と呼ばれる火
山灰が堆積したもろい地質で、大雨のたびに崩れて災害を引き起こす怖ろしい存在です。
それに比べて海側の景色のなんと穏やかで美しいことか。まさに天国と地獄のごとき対比。あぁ、
やはり私は天国のほうを見ていたい・・・
|
|
 
|
|
↑加治木で、宮崎からの特急「きりしま」7号と行き違いのため停車をし、13:47隼人に到着しま
した。ここで2分ほど小休止の後、列車は肥薩線の登り坂に挑みます。次の嘉例川までの所要
時間は13分。途中、鬱蒼と生い茂る木々の間から一瞬視界が開ける場所があって、ずいぶんと
登ってきたもんだと実感します。そして14:02から5分停車の嘉例川では、乗客がみんな降りて
駅舎のほうへ行ってしまったので、列車の周りには誰もいない状態に。静かな山あいの駅で、ア
イドリングのエンジン音が響いていました。↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑次の霧島温泉には14:14着。下りの普通列車と行き違いのため4分停車します。ここから接
続するバスに乗れば、霧島温泉の宿には15時頃にチェックインできるので、かなり余裕。
ホームには喫煙コーナーがあり、一服する事も可能です。周囲の景色のせいもありますが、実に
のどかな雰囲気。並んで停まった2本の列車、何だか相合傘みたいですね。
|
|
 
|
|
↑嘉例川と同じく築105年の駅舎が残る大隅横川到着は14:24。下りの1号では停車時間が
短く、「車内からご覧ください」などと案内されていましたが、この4号は5分停まるので、列車を降
りてゆっくりと見学することができます。無人駅ながら、いつ行ってもゴミ1つ落ちていないほどの
完璧な清掃・管理がされていて、美しさを保っています。↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑14:37栗野に到着。秋の陽はすでに大きく西に傾いています。ここでまとまった数の降車客が
あり、それまで誰かしらが座っていた展望席も空きました。今日は結構お客さんが多かったなぁ、
という印象です。終点まであと9分ですが、ゆったりした雰囲気を味わいましょう。
栗野を出ると川内川を渡り、緑の中を吉松へ向けてラストスパートです。↓
|
|
 
|
|
|
|
 
|
|
↑景色が開け、右手に霧島の山々が見え始める頃、終点吉松到着と接続する「しんぺい」号に
ついての案内放送が流れました。吉松到着は14:47、1号で出発してから約3時間半のミニトリ
ップも終了です。
向かい側に停まっている「しんぺい」4号は2分後に発車なので、午前中と同じバタバタの乗り継
ぎ。7席しかない自由席にあぶれた多くの立ち客を乗せて出発していきました。一方、「はやとの
風」は折り返しの3号となり、7分後の14:54に発車します。「たまり」さんも、この列車が出てしま
うと今日の営業は終了になるので、最後のひと仕事というところでしょうか。
そして「はやとの風」3号が出て行った後の吉松駅、淡い日差しのホームは物音ひとつ聞こえてこ
ない、不思議な静寂に包まれていました。↓
|
|
 
|
|
2008.10.29
|